とある阿呆の随想録

阿呆の徒然なる日々

「はじゃのつるぎ」の英語訳「sword of malice」

 はじゃのつるぎといえば、ドラクエにおいて中盤に手に入る、聖なる剣。
 振りかざすとギラが使える、便利な剣である。

 これが、英語版ドラゴンクエストではどうなっているのか。

Sword of Malice

 ん?malice?破邪って意味かな?

Maliceの意味…悪意、恨み、敵意、殺意

なん…だと…

おいおい、誤訳かよ…ちゃんと仕事しろ!真逆の意味になっちゃってんじゃねーか!

と、思ったのだが、ofにはこんな用法があるという。

ofには、所属・所有のほか、分離・離脱の意味がある。

と、いうことは、「maliceの剣」ではなく、「maliceを退ける剣」、つまり「破邪の剣」となるわけか!

そう思ったのもつかの間…


sword of maliceについて調べていくと、海外の掲示板へ辿り着いた。

そこの書き込みを意訳するとだいたいこんな感じ(たぶん)

「sword of maliceって剣あるじゃん?これ、破邪の剣なんだな。前はcautery(焼灼) swordだったのに。名前変更されたのか」

「cauteryってどういう意味だよ。わかりにくいわ」

「maliceのほうがいいね」

「最初sword of maliceって名前見たとき、呪いの武器だと思った。でも剣のデザインは聖なる剣っぽいんだよな…」

「日本ではevil-crushing swordって名前らしい」

「は?なんでそれがsword of maliceになるわけ?maliceの意味調べたけど、全然関係ないじゃん。他の人も言ってるけど、呪いの武器にしか見えん。俺も最初見たとき呪いの武器かと思ったし」

「単純に「火炎の剣」って名前にしないということは、言葉遊びか何かあるのかな」

http://www.gamefaqs.com/boards/942422-dragon-quest-iv-chapters-of-the-chosen/48820609

英語圏の人がまったく「はじゃのつるぎ」を認識できてねえ…

結局、誤訳かどうかわからねー、という話でした。

2017/05/22 追記

 ついに分かった。これは誤訳ではない。
 中世ヨーロッパの時代、ofは「〜から…を切り離す」という分離の意味が主だったのだ。
 たぶんネイティブでさえ知らないのだろう。高度すぎる翻訳、といえる。