ヤンキーと目を合わせてはいけない。「なにガンタレてんだコラァ」と、絡まれてしまう。
同じように、ゴリラと遭遇したときも、目を合わせてはいけない。タックルを食らわされてしまう。目を合わさずジッとするのが良い。
彼らにとって、目を合わせるという行為は敵対行為なのである。
その一方、一般社会では人と話をする時は目を見なさい、と教わる。
かと思えば、独り言をわりと大きめの音量でブツブツ呟く不審者がいたりすると、ジロジロ見たりせず、みんな明後日の方向を見て、まるで聞こえていないかのように死んだ目になる。
そう。その時、そのような状況においては、みな野生のゴリラに遭遇したかのような心持ちになるのである。
そういうふうに、状況によって目を合わせるという事の意味が変わるのは面白い。
ともかく、ヤンキーとゴリラとは目を合わせない。
各々、しかと肝に命じておいてほしい。