とある阿呆の随想録

阿呆の徒然なる日々

ビニール傘をめぐる攻防

 テレビのアンケートだかなんだかで、実はビニール傘を使っている人は少ないらしいが。


 ビニール傘を愛用している。

 自転車にぶっ刺して、いつでも使えるようにしているのである。

 しかし、この世には盗人猛々しい人がいるものである。

 ビニール傘ゆえ、誰のものか分からないとでも思っているのか。いとも簡単に人の傘を持っていく。

 ビニール傘を持っていかれても、ダメージは無い。金銭的にも精神的にもノーダメージである。

 しかし、なぜ自分で傘を用意しないのか。平気で人の傘を持っていくのか。そんな人間がウヨウヨいることに辟易するのである。

 
 そこで、ささやかな反撃に出ることにした。

 見た目は普通のビニール傘だが、実は骨が折れている傘を自転車にさしておくことにしたのである。

 
 そして雨の日。

 しっかりと閉じていたはずの傘が、半開きの状態で無造作にカゴに突っ込まれているではないか。

 フッ……ひっかかったな!

 幸運にも手頃な傘を入手したかと思いきや、それはボロの傘だった。落胆し傘を元に戻すお主の姿が目に浮かぶわ!

 ぬわっはっはっはっ!


 雨降りしきる曇天の日に、おれの心は不思議なほど晴れ晴れとしていた…。