チャットGPTに書いてもらったものをメモ的に。
# Snoop Dogg「Drop It Like It’s Hot」歌詞の詳細解説
## 曲の概要
アメリカのラッパー、スヌープ・ドッグ (Snoop Dogg) が2004年に発表した「Drop It Like It’s Hot」は、ファレル・ウィリアムズ (Pharrell Williams) をフィーチャーしたヒット曲です ([Drop It Like It's Hot - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/Drop_It_Like_It%27s_Hot#:~:text=,Pharrell%20performs%20the%20first%20verse))。ミニマルで特徴的なビート(舌打ちの音を活かしたトラック)に乗せたこの曲は、全米シングルチャートで3週連続1位を記録し、スヌープにとって初の全米No.1ソングとなりました ([Drop It Like It's Hot - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/Drop_It_Like_It%27s_Hot#:~:text=The%20song%20topped%20the%20US,a%20drum%20machine%20beat%20and))。タイトルの「Drop It Like It’s Hot」は直訳すると「熱いものみたいにそれを落とせ」という意味ですが、ヒップホップスラングでは主に**「調子の良いビートに合わせてセクシーに腰を落とすダンスをしろ」**という意味で使われます ([Drop it Like it’s Hot Meaning & Origin | Dictionary.com](https://www.dictionary.com/e/slang/drop-it-like-its-hot/#:~:text=Drop%20it%20like%20it%E2%80%99s%20hot,the%20floor%2C%20emphasizing%20her%20butt))。状況によっては「素早く物を手放せ」や「上手くキメろ」といった意味でも使われ、曲中では様々な場面に当てはめて繰り返されています ([Drop it Like it’s Hot Meaning & Origin | Dictionary.com](https://www.dictionary.com/e/slang/drop-it-like-its-hot/#:~:text=Drop%20it%20like%20it%E2%80%99s%20hot,rap%20or%20beat%20that%E2%80%99s%20danceable))。特に女性が腰を落としてお尻を強調するダンス動作を指すフレーズとして定着しており、クラブやパーティーで「Drop it like it’s hot!」と掛け声が飛ぶと、その動きをするよう促す意味になります ([Drop it Like it’s Hot Meaning & Origin | Dictionary.com](https://www.dictionary.com/e/slang/drop-it-like-its-hot/#:~:text=Drop%20it%20like%20it%E2%80%99s%20hot,the%20floor%2C%20emphasizing%20her%20butt)) ([Drop it Like it’s Hot Meaning & Origin | Dictionary.com](https://www.dictionary.com/e/slang/drop-it-like-its-hot/#:~:text=For%20instance%2C%20one%20popular%20use,Let%20me%20see%20that%20booty%21%E2%80%9D))。このフレーズ自体は1999年のヒット曲「Back That Azz Up」の最後で若きリル・ウェインが繰り返し発したことで広まり、スヌープがそれを取り入れてタイトルに据えた経緯があります ([The Number Ones: Snoop Dogg’s “Drop It Like It’s Hot” (Feat. Pharrell) : r/popheads](https://www.reddit.com/r/popheads/comments/zng4vt/the_number_ones_snoop_doggs_drop_it_like_its_hot/#:~:text=,%E2%80%9D%20I%20probably))。
以下では**歌詞の英語原文を逐語的に引用することは避けつつ**、曲冒頭から順に**各行の日本語訳と詳しい解説**を行います。スラングや口語表現についても可能な限り意味と使われ方を補足します。
## イントロ/アウトロ
- **「Snooooooooooop..」**(曲冒頭と最後のフレーズ)
**日本語訳:** 「スヌーーープ…」
**解説:** スヌープ・ドッグが自分のアーティスト名である「Snoop」を引き延ばして繰り返し叫んでいるフレーズです。曲のイントロとアウトロで流れ、彼の登場を印象付ける**キャッチフレーズ的な自己紹介**になっています。特に深い意味はなく、「俺がスヌープだ!」と存在感を示す合いの手です。ライブでも観客を盛り上げるためによく自身の名前を引き伸ばして叫ぶことがあります。
## コーラス(サビ)
- **When the **pimp**’s in the **crib**, ma, *drop it like it’s hot***
**日本語訳:** 「ヒモ(ポン引き)が**家**(=**クリブ**)にいるときは、**熱いものみたいにそれを落として**(さっさと腰を落とせ)」
**解説:** 直訳は「ヒモ同然の男(pimp)が家にいるなら、熱い物を落とすようにそれを落とせ」という意味です。この場合の「**pimp**(ピンプ)」は本来**売春斡旋業者、ヒモ**の意味ですが、ヒップホップでは男性をカッコよく言う俗語としても使われます。「**crib**(クリブ)」は**スラングで「家」**やたまり場を指す言葉です ([CRIB Definition & Meaning - Merriam-Webster](https://www.merriam-webster.com/dictionary/crib#:~:text=%3A%20a%20small%20narrow%20room,hut%20%2C%20%2035))(元は「ベビーベッド」の意味ですが転じて「住処」「自宅」を意味します)。「ma(マ)」は「ママ」の略で、ここでは**親しい女性への呼びかけ**(「お嬢」程度のニュアンス)です。
後半の「**drop it like it’s hot**(熱いものみたいにそれを落とせ)」はこの曲全体のキーフレーズで、**「熱いもの(火傷しそうな物)を持ったら即座に手から落とすように、ビートが“ホット”なときに身体を落として踊れ」**という意味の決まり文句です ([Drop it Like it’s Hot Meaning & Origin | Dictionary.com](https://www.dictionary.com/e/slang/drop-it-like-its-hot/#:~:text=Drop%20it%20like%20it%E2%80%99s%20hot,the%20floor%2C%20emphasizing%20her%20butt))。主に女性に対して腰を落としてセクシーに踊るよう促す表現で、ヒップホップ文化で定着した掛け声です。語源としては「何かを素早く処理する」という比喩から来ており、前述のようにクラブでダンスを煽る際によく使われます。ここでは“クリブにいるヒモ=イカした男”を前に「さあ**ノリノリの曲に合わせて**踊ってみせろ」というニュアンスになります。なお、このフレーズは曲中で強調のため**3回繰り返され**ています(歌詞でも同じ行が三連続します)。
- **When the **pigs** try to get at ya, *park it like it’s hot***
**日本語訳:** 「サツ(=**豚**ども)がお前にちょっかい出そうとしたら、**熱いものみたいに置いて**(素早く停車しろ)」
**解説:** 直訳は「警官(pigs)がお前に絡んできたら、熱い物を置くように駐めろ」。ここで「**pigs(豚ども)**」は**警察官の蔑称**です ([List of police-related slang terms - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_police-related_slang_terms#:~:text=See%20Pig,baguette%20and%20it%20is%20reference))。警官を豚に例えるスラングはアメリカの俗語で、特にストリートやヒップホップで侮蔑的に使われます(日本語の「サツ」に近いニュアンス)。「**park it**」は「車を停める」「動きを止める」という意味の口語表現です。つまり**「警察に絡まれたら、すぐに(何かを)止めろ/隠せ」**という意味になります。警察沙汰になりそうな時は、ちょうど熱くて持てない物を置くように、**素早く落ち着いて行動を止めろ**ということです。例えば運転中なら車を素早く路肩に停める、違法な物を持っていたら素早く隠す、といった状況を指します。「park it like it’s hot」も曲中で3回繰り返され、警告を強調しています。
- **And if a **nigga** get an attitude, *pop it like it’s hot***
**日本語訳:** 「それから、誰かが(ニガが)ふてぶてしい態度を取ってきたら、**熱いものみたいに撃ちかませ**」
**解説:** 「nigga(ニガ)」は**黒人同士が使う俗語**で、「仲間内の男」を指すスラングです。ただし元は “nigger” という黒人蔑称が転化した言葉であり、**当事者でない人間が使うと非常に侮辱的になる語**なので注意が必要です ([Nigga - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/Nigga#:~:text=Nigga%20,often%20applied%20to%20men%2C%20with))。ここではスヌープが文脈上「突っかかってくるヤツ」が黒人男性である想定で「ニガ(あいつ)」と言っています。「get an attitude」は**「偉そうな態度を取る、腹を立てて絡んでくる」**という意味の口語表現です。つまり「誰か(他の男)が文句をつけてきたら」という状況を指します。
後半の「**pop it like it’s hot**」は直訳「熱い物みたいにそれをポンとやれ」。この場合の「**pop**」は俗に「発砲する、撃つ」という意味で使われています。英語の口語で「pop a cap in ○○」と言えば「○○を撃ち殺す」の意味です。「pop it(それをポップする)」だけでも**銃で撃つ**ことを指す場合があります。従ってこのラインは**「相手が絡んできたら、火傷しそうなものを放り投げるような調子で、すかさず銃を撃て」**つまり**「ムカつく奴には即座に発砲してやれ」**という過激な意味になります。実際ギャングスタラップらしく、ケンカを売ってくる相手には容赦なく“**ポップ**”して対処しろというノリです。ここも曲中で3度繰り返され、過激な対処を強調しています。なお「nigga」との組み合わせで韻を踏んでおり、「attitude(アティテュード)」と「attcha(at ya)」「get at ya / get an attitude」など音の響きでも巧みにライムさせています。
- **I got the **Rollie** on my arm and I’m pouring Chandon**
**日本語訳:** 「腕にはローレックス(**ロレックス**の腕時計)を巻き、シャンドン(高級シャンパン)を注いでる」
**解説:** ここからサビの後半部分です。「**Rollie(ローリー)**」は**ロレックス社の高級腕時計(Rolex)の愛称**で、ヒップホップでは富の象徴として頻出します ([Rollie - Urban Dictionary](https://www.urbandictionary.com/define.php?term=rollie#:~:text=Rollie%20,at%20the%20club%20last))。スヌープは自分の腕に高価なロレックスを光らせていると言っています。「pouring Chandon(シャンドンを注ぐ)」は、高級シャンパンである**モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)**をグラスに注いでいる様子を指します。歌詞では「Sean Don(シャン・ドン)」と表記されていますが、**モエ・シャンドンの愛称**です。つまり、腕にはロレックス、手にはシャンパンという**贅沢三昧なパーティーの光景**を描写しています。これらは典型的なラップの自慢で、成功者である自分の富とステータスを誇示するラインです。
- **And I roll the best **weed** ’cause I got it going on**
**日本語訳:** 「それに最高の草(**マリファナ**)も巻いてキメてる。だって俺はイケてるから」
**解説:** 「**roll**」は「巻く」という意味で、ここでは**大麻を巻紙で巻いてジョイントを作ること**を指します。「**weed**(草)」は**マリファナ(大麻)**の俗称です。つまり「最高品質の大麻を自分で巻いて吸っている」となります。「’cause I got it going on」は口語で**「だって俺はノリに乗っているからさ/イケてるからさ」**という意味です。「got it going on」は「調子が良い」「うまくいっている」という俗語表現で、女性に対して「魅力的だ」という意味でも使われます。ここでは自分自身について「何もかも完璧にキマっている=俺は最高だ」と言っており、前の行までの豪奢な様子(ロレックスに高級シャンパン、最高のマリファナ)と合わせて**自分が今絶好調でイケイケである**ことを強調しています。要するにサビ後半のこれらのラインは、**「俺は腕にロレックス、シャンパンを注いで、極上のブツをキメるほど絶好調なんだ」**というスヌープの自慢で締めくくられています。サビ全体を通して、前半では状況別の決め台詞(drop/park/pop it like it’s hot)を繰り返し、後半では自分のステータスを誇示する構成になっています。
## 第1ヴァース(Pharrellのパート)
(※ここからはファレル・ウィリアムズによるラップ部分です。ファレルはスヌープとは対照的に自分のファッションセンスや富を誇る軽快なリリックを披露しています。各行を解説していきます。)*
- **Uh! I’m a nice dude, with some nice dreams**
**日本語訳:** 「(アッ!)俺はイケてる奴さ、素敵な夢をいくつも抱いてる」
**解説:** 冒頭の「Uh!」はビートに乗せた合いの手の声(「アッ!」という感じ)です。「**nice dude**」は直訳すれば「良い奴」ですが、ここでは**「感じのいい男」「イケてる男」**という自己紹介です。ファレルは自分の人柄とセンスに自信を持っており、「俺はナイスガイで…」と切り出しています。「**nice dreams**」はそのまま「素敵な夢」。自分の将来について**大きな夢やビジョン**を持っているという意味合いです。彼は音楽やファッションで成功する野心(実際に彼は後にファッションブランドを立ち上げ成功しています)を「ナイスな夢」と表現しています。全体として「俺は洒落た男で、カッコいい夢(野望)を持ってるんだ」というポジティブな自己アピールです。
- **See these **ice cubes**, see these **Ice Creams****?
**日本語訳:** 「見てみな、この“アイス・キューブ”(氷の塊=ダイヤモンド)に…この“Ice Creams”を」
**解説:** 「See these ~?」は**「これらが見えるか?」**と相手に自慢げに問いかける表現です。ここでファレルは自分の身に着けている高価な装飾品を指差しています。「**ice cubes**」は本来「氷の立方体」ですが、スラングで**「アイス(氷)」はダイヤモンドなど宝石類**を意味します。キラキラと氷のように輝くことから、ヒップホップでは宝石を総称して「ice」と呼ぶのです(例えば「ice on my wrist」は腕につけた宝石=高級腕時計を指します)。複数形の「ice cubes」も**身につけているダイヤのアクセサリー**を指すと考えられます。
続く「**Ice Creams**」は大文字で書かれており、ファレルが手掛けていた**ストリート系ファッションブランド「Ice Cream」**(アイスクリーム)にかけています。実際ファレルは「Billionaire Boys Club」と「Ice Cream」という2つのブランドを共同設立しており、靴や服飾品を展開していました ([Pharrell Williams - Wikipedia](https://en.wikipedia.org/wiki/Pharrell_Williams#:~:text=streetwear%20brands%20Billionaire%20Boys%20Club,In%202009%2C%20Williams%20unveiled%20a))。歌詞中の「Ice Creams」は**彼の持つスニーカー(アイスクリーム・フットウェア)やアクセサリー**を指しているとも解釈できます。同時に語呂合わせで「ice(宝石)」と「ice cream(アイスクリーム)」で韻を踏んでおり、耳に残るフレーズになっています。つまりこのラインでは、自分の**身につけているダイヤのジュエリーやブランド物のファッション**を「ほら見えるだろ?」と誇示しているのです。
- **Eligible bachelor, million-dollar boat**
**日本語訳:** 「俺は素敵な独身貴族さ、百万ドルのボート(ヨット)を持ってる」
**解説:** 「**eligible bachelor**」は**「適齢期の独身男性」**という意味ですが、文脈によっては「裕福で女性に人気の独身男性(玉の輿候補)」という含みがあります。ファレル自身、当時独身でファッションリーダー的存在だったので、自らを**「魅力的な独身貴族」**と称しています。「million-dollar boat」は**「100万ドルの船」**、つまり**超高級ヨット**のことです。100万ドル(当時のレートで1億円以上)もする船を所有できるほど裕福だと誇示しています。これらは自分のステータスを示す典型的な言い回しで、**「俺は女性にモテる金持ちの独身で、何百万ドルもする船まで持っているんだ」**と豪語しているわけです。前行の「ice」と繋げて、資産家ぶりを強調しています。
- **That’s whiter than what’s spilling down your throat**
**日本語訳:** 「そいつ(その船)は、お前の喉を流れ落ちてるモノよりも白いんだぜ」
**解説:** 直訳は「それ(ヨット)は、お前の喉を流れているものよりもずっと白い」。前の行の「百万ドルのボート」を受けて「それは○○より白い」と言っています。ここで「**what’s spilling down your throat**」直訳すると「お前の喉を流れ落ちているもの」ですが、具体的に何かは明言されていません。いくつかの解釈が可能です。(1) 白くて高級な酒(例えばシャンパンやウォッカ)を飲んで喉に流している様子、(2) あるいは性的な隠喩で精液のことを指している可能性もあります(下品ですが、喉を何か白いものが流れているという表現からの連想)。ファレルは**自分のヨットの船体カラーが純白であることを強調**しており、「お前が飲んでる白い酒や○○なんかより真っ白なんだ」と誇張しているのでしょう。いずれにせよ高価な真っ白いヨットを所有している自慢であり、「圧倒的な白さ」として誇っています。この「white」という言葉は次行の「fish eggs(魚の卵)」とも繋がり、彼の乗っている高級車の色の話題へと続きます。
- **The Phantom, exterior like fish eggs**
**日本語訳:** 「ファントム(高級車)は、外装が魚の卵みたいなんだ」
**解説:** 「**The Phantom**」とは**ロールス・ロイス社の最高級車種「ファントム」**のことです。ファレルはヨットだけでなく高級車も所有していると示唆しています。その「外装(exterior)」が「魚の卵みたい(fish eggs)」と表現されていますが、**魚卵のプチプチした質感や色**に例えています。魚の卵、特にチョウザメの卵(キャビア)は黒っぽい粒ですが、高級車の塗装をユニークに表現したのでしょう。一説には**メタリックでパールのように輝く塗装**を魚卵のきらめきになぞらえているとも言われます。「魚の卵(fish eggs)みたいな外装」と言うことで、その車が**珍しく凝ったカラーリング(おそらくシャンパンゴールドやパールホワイト系)**であることをアピールしています。いずれにせよ**桁外れに高価で派手な車**だということを強調する比喩表現です。前行から続けて「白」がキーワードになっており、ヨットも車もピカピカのホワイトだという流れです。
- **The interior like suicide wrist red**
**日本語訳:** 「内装はリストカットの血のような赤さだ」
**解説:** ファントムの「**interior(内装)**」の色についてのラインです。「**suicide wrist red**」直訳すると「自殺した手首の赤」。これはリストカット(手首を切る自殺行為)で流れる血の赤色を指しています。つまり**深紅の血の色**です。高級車の内装シートが**血のように真っ赤である**ことをインパクトのある比喩で表現しています。「魚の卵のような外装」と対比させて、「内装は自殺する手首から流れる血の赤」とかなりショッキングな描写をしています。要するに**「俺のファントムは外が真珠のように白く、中は血のように真っ赤なんだ」**と語っており、高級志向と同時に過激なイメージも演出しています。この種の黒いユーモア混じりの比喩はヒップホップならではで、ファレルのリリックの中でも特に印象的なフレーズの一つです。聞き手に強烈な色彩のコントラストを想起させ、彼の所有物の豪華さと異質さをアピールしています。
- **I can exercise you, this can be your Phys. Ed**
**日本語訳:** 「俺がお前を鍛えてやれるぜ、これはお前の体育の授業だと思えよ」
**解説:** 「**exercise** you」は「お前をエクササイズ(運動/鍛錬)させることができる」という意味です。同時に**「exorcise you(お前から悪魔を追い出す)」**という語と発音が似ており、二重の意味をかけている可能性があります。いずれにせよ「俺が鍛えてやる/お前を改心させてやる」というニュアンスです。次の「this can be your **Phys. Ed**」の“Phys. Ed”は**“Physical Education”つまり「体育の授業」**の略です。直訳すると「これはお前の体育の授業になり得る」。つまり**「俺と一緒にいることで、お前にとっていい運動になる(=鍛えられる)だろう」**という意味になります。女性に対して「俺と遊べばベッドで鍛えてやるぜ」といった性的な含みも感じられる表現です。また、“exercise”には「悪霊払い(exorcise)」のダブルミーニングが隠れているとすれば「俺がお前から悪い男(今の彼氏)を追い払ってやる」という意味も含ませているかもしれません。その上で「体育の授業みたいなもんだと思え」とユーモラスに続けることで、**自分と関係を持つことをスポーツにたとえて面白おかしく誘惑**しているわけです。ファレルは女性に自分との浮気を持ちかける流れに入っています。
- **Cheat on your man, ma, that’s how you get a**hizzead****
**日本語訳:** 「彼氏を裏切って浮気しなよ、お嬢。それがあんたの出世の方法さ」
**解説:** 「**Cheat on your man**」は**「彼氏をだまして浮気する」**ことです。ファレルはここで聞き手の女性に「彼氏を裏切って俺と関係を持て」とそそのかしています。「ma(マ)」は先ほどと同じく女性への呼びかけ「お嬢さん」のようなものです。後半「that’s how you get ahead」は**「それが君がahead(先に進む)方法だ」**つまり**「そうすれば君は上手くいくんだ」**という意味です。ここでは「彼氏を裏切ることこそがお前にとって得策(俺と一緒になって成功する方法)だ」という少し皮肉で挑発的な言い方です。歌詞では「ahead(アヘッド)」が「**ahizzead**」という綴りになっていますが、これはスヌープが好んで使う**“-izzle”言葉**(後述)をファレルが取り入れており、「ahizzead」は「ahead」をもじったものです。「~izze~」と入れるスラングはSnoop Doggが流行らせた言葉遊びで、単語に**-izz-音を差し込んで語調をユーモラスにする**ものです ([-izzle - Wiktionary, the free dictionary](https://en.wiktionary.org/wiki/-izzle#:~:text=Popularized%20by%20rap%20artist%20Snoop,iz))。ファレルもここで「ahead」を「あヘッ↑ド」のようなリズムに変えて韻を整えています。内容としては「彼氏なんて捨てて俺と居ればお前はもっと幸せになれるぜ」という**浮気のススメ**であり、ファレルのプレイボーイ的キャラクターを表すラインです。
- **Killer wit the beat, I know killers in the street**
**日本語訳:** 「ビートの殺し屋さ(=俺のビートはキレがいい)。それにストリートの殺し屋たちとも知り合いなんだ」
**解説:** 「**killer wit(h) the beat**」は直訳「ビートの殺し屋」ですが、ここでは**「キラー級のビートを作る奴」**という意味のスラングです。ファレルは音楽プロデューサーとして卓越した才能を持ち、多くのヒット曲を手掛けているため、自分のビートメイキング能力を「killer(殺し屋)のようにヤバい」と表現しています。「killer」は口語で「最高にクールなもの」に対して使う誉め言葉でもあります。つまり**「俺はビートを殺す(=観客を熱狂させる)ほど凄腕だ」**という自負です。
続く「I know killers in the street」は文字通り**「ストリート(裏社会)に殺し屋たちのツテがある」**です。つまり**「ヤバい奴らとも繋がっている」**ということを示しています。音楽的にもすごいが、裏社会の危険人物ともコネがあるという二面性をアピールしています。「beat」と「street」で韻を踏んでおり、言葉遊びとしても上手くまとまっています。「killer(殺し屋)」という言葉を連続で使い、最初は比喩(音楽の殺し屋)、次は文字通り(本物の殺し屋)という風に意味をずらしている点もテクニックです。**自分は音楽シーンでもストリートでも一目置かれる存在だ**と誇示するラインと言えます。
- **Wit the steel that’ll make you feel like chinchilla in the heat**
**日本語訳:** 「そいつら(ストリートの殺し屋)は**スティール**(鉄=鉄砲)を持っていて、お前を暑い中チンチラの毛皮を着たみたいにさせるぜ」
**解説:** 「**steel**(スティール)」は「鋼鉄」つまり**鉄製の銃火器(ピストル)**を指すスラングです。文脈から「killers in the street **with the steel**」で「銃を持ったストリートの殺し屋たち」となります。その銃を突きつけられたら「make you feel like chinchilla in the heat」の状態になる、と続きます。「**chinchilla in the heat**」とは「暑い中にいるチンチラ」です。**チンチラ**は南米原産のネズミの一種ですが、その毛皮は高級毛皮として有名で、とても分厚く暖かいものです。暑い気候でチンチラの毛皮コートを着たら汗だくで不快になるでしょう。つまりこの比喩は**「冷や汗をかくほど非常に不快で苦しい状態」**を表現しています。「銃口を向けられたら、まるで真夏にチンチラの毛皮を着込んだように一瞬で汗をかくだろう」というわけです。言い換えれば**「銃で脅されれば尻込みするだろう?」**と脅しているのです。ここでも「steel」と「feel」と韻を踏んでおり、滑らかなフロウを作っています。ファレルは、自分に逆らえば腕利きの殺し屋仲間が相手を震え上がらせる(暑苦しくさせる)と暗に警告しつつ、自身の危険な一面を誇示しています。
- **So don’t try to run up on my ear talking all that raspy shit**
**日本語訳:** 「だから俺の耳元に寄ってきて、そのハスキーで生意気なクソ話をベラベラ吐かないことだ」
**解説:** 「**run up on** (someone)」は**「(不意に)近寄ってくる」**、「襲いかかる」のような意味もあります。ここでは「run up on my ear」で**「俺の耳元に近寄ってきて」**となります。「talking all that raspy shit」は直訳「そのしわがれたクソみたいなことを喋る」。誰かが耳元でガミガミとうるさい文句を言ってくる様子を指します。「**raspy**」は声がしゃがれた様子で、粗野で聞き苦しい感じを表します。「shit」はここでは「くだらない話」「文句」程度の俗語です。つまり**「ガラの悪い口調で文句を言って絡んでくるな」**という警告になります。ファレルは先ほど自分には怖い仲間がいると言った上で、「だから俺にベタベタ文句を言おうなんて思うなよ」というわけです。「all that raspy shit」は、例えばしつこく何か要求するような耳障りな文句(「おいファレル、~してくれよ」みたいな厚かましい頼みごと)を想定しているのかもしれません。いずれにしろ**ファレルに失礼な口のきき方をするな**と牽制しています。
- **Trying to ask me shit**
**日本語訳:** 「俺にあれこれ聞き出そうとしても無駄だぜ」
**解説:** 前の行から続くフレーズです。「(耳元でがなりたてて)**俺にクソみたいなことを聞き出そうとしても**…」という繋がりになっています。「ask me shit」は直訳「俺にクソみたいなことを尋ねる」、つまり**「くだらないことを俺に聞こうとする」**です。ファレルに何か無礼な要求や図々しいお願い(例:「俺にもその金を分け前くれ」とか「コネを使わせてくれ」等)をしても無駄だというニュアンスです。この短いフレーズ単体では意味が取りにくいですが、前後を含めると**「俺に絡んで何か頼もうとしても、うまくいかないぞ」**という流れになります。ファレルは自分に近寄ってくるうるさい連中への不快感を示し、牽制しています。
- **When my niggaz fill ya vest they ain’t gon’ pass me shit**
**日本語訳:** 「俺の仲間たちがテメエの防弾チョッキを鉛玉で満たしちまったら、もう何も俺に言えねぇだろう?」
**解説:** かなり荒っぽい表現です。「**fill ya vest**」は「お前のベストを満たす」。ここでは**「防弾チョッキを(銃弾で)満杯にする」**ことを指す隠喩です。銃で撃たれると防弾チョッキが鉛玉(lead)でいっぱいになりますね。「**my niggaz**」は「俺の仲間たち(黒人のダチ)」、要するに先述の「ストリートの殺し屋たち」のことです。つまり**「俺の仲間がテメエ(あなた)に向けて乱射して蜂の巣にしたら」**となります。
続く「they ain’t gon’ pass me shit」は直訳が難しいですが、「そいつらは俺に何もpassしねぇだろう」という感じです。ここでの「pass me shit」は**「俺に害を及ぼすものを通す」**とか**「俺を追い抜く」**といった意味合いに解釈できます。「〜 ain’t gon’ pass me shit」は「何も俺を追い越せやしない」という俗な言い方です。文脈から考えると、**仲間が相手を撃ち倒してしまえば、もはや俺に向かってくるものは何もないだろう**という意味になります。要するにこの一連のラインは**「俺の仲間がテメエをハチの巣にするから、俺には何の危害も及ばないし文句も言わせないぜ」**という脅しです。非常に物騒な表現で、ファレルの裏の顔(必要とあらば暴力も辞さない)を描いています。ここでも「shit」で韻を踏みつつ、先ほどの「ask me shit」とつなげて**「お前が何か要求してきても、仲間が撃っちまうから無駄だ」**と念押ししています。
- **You should think about it, take a second**
**日本語訳:** 「よく考えるんだ。一旦(1秒)落ち着けよ」
**解説:** 「**think about it**(そのことについて考えろ)」と命令し、「**take a second**(1秒くらい考えてみろ)」と続きます。ここまで脅し文句を並べたうえで、「なあ、少しは考え直した方がいい」という冷静な忠告をしています。ファレルは相手(絡んできた人物)に対し、**「下手なマネはやめておけ」とクールダウンを促している**わけです。激しい脅しの後に急にこの落ち着いた口調になることで、ラップに緩急をつけています。「take a second(1秒でもいいから)」というくだけた言い回しがリアルな会話のようで、ファレルの余裕を感じさせます。実際には1秒で考えられることは限られますが、「一瞬立ち止まって考え直せ」と軽く言っているのです。
- **Matter fact, you should take four, B**
**日本語訳:** 「ていうか、そうだな、4秒くらい考えとけよ、**B**」
**解説:** 先ほど「1秒考えろ」と言いましたが、「**Matter of fact**(実のところ)」、「you should take four」と続けています。「4秒くらいにしとけ」というユーモアで、「B」は**「Bro(兄弟)**」の頭文字をとったスラングで親しい男性に呼びかけるときに使います(ニューヨークのストリートスラングなどで「~だぜ、B」と語尾につけたりします)。つまり**「いや1秒じゃなくて4秒考えろよ、兄弟」**と少し茶化した言い方をしています。これは**ファレルのウィットに富んだ表現**で、実際の曲でもこの部分は少しコミカルな間を取ってラップされています。音楽的には “second” と “four, B” の間で韻は踏んでいませんが、**「take a second」→「take four」**と数字を増やすことで意外性と遊び心を出しています。また「フォービー (four B)」という音が、「フォービドゥン(forbid、禁じる)」や「フォービー=ファラオのフォービー?」と聞こえて独特の響きを持たせています(深読みかもしれませんが)。いずれにせよ、**相手に考え直す時間を与えるから頭を冷やせ**と促す台詞であり、少し冗談めかすことで相手を威圧しつつも自分の余裕を示しています。
- **And think before you f*** wit lil’ **Skateboard P****
**日本語訳:** 「そして**スケートボードP**に手出しする前によく考えるんだな」
**解説:** 最後にもう一度「よく考えろよ」と念押ししています。「**f*** with** ~」は俗に**「~にちょっかいを出す、ちょっと絡む」**程度の意味です(放送禁止用語なので伏字にしています)。つまり**「この“スケートボードP”に関わる前に考え直せ」**と言っています。**「Skateboard P(スケートボード・ピー)」**はファレル・ウィリアムズ自身のニックネームです ([The Story Behind Skateboard P - Wildchat](https://www.whatswildchat.com/blogs/sports/the-story-behind-skateboard-p#:~:text=Pharrell%20was%20Skateboard%20P%2C%20a,obsession%20with%20all%20things%20skating))。彼は若い頃スケートボード好きだったことから周囲に「Skateboard P」と呼ばれ、その名を自称するようになりました。したがって「lil’ Skateboard P」は「若きスケートボードP(=この俺ファレル)のことを」と自身を三人称で言っています。軽く自分を茶化しつつも、**「このスケボー少年の俺様に手を出すと痛い目見るぜ」**と締めくくっているのです。ここでも「four, B」と「P」で韻を踏んでおり、綺麗に韻尾をまとめています。総じて第1ヴァースは、ファレルが自分のファッションや富を自慢しつつ、彼に絡んでくる輩への**威嚇と余裕**を描いた内容になっています。
★サビが繰り返されます(内容は前述のコーラスと同じため説明は割愛します)。*
## 第2ヴァース(Snoop Doggのパート1)
(※ここから再びスヌープ・ドッグのラップに戻ります。彼自身のギャングスタとしてのキャラクターや派手なライフスタイルを誇示するリリックが展開します。)*
- **I’m a gangsta, but y’all knew that**
**日本語訳:** 「俺様はギャングスタだ――まあお前ら知ってたよな」
**解説:** スヌープは自分が**「gangsta(ギャングスタ)」**、つまりギャングのような不良であると宣言しています。彼は90年代から**ギャングスタ・ラップ**(ギャングのライフスタイルを歌ったラップ)の第一人者として知られていたため、「but y’all knew that(でもお前らそんなこと知ってたよな)」と付け加えています。**「y’all」**は**「あなたたち全員」**を指す南部・黒人英語の二人称複数形です。つまり**「俺はギャングスタだぜ —— まあみんな知ってると思うけどな」**と余裕たっぷりに言っているわけです。自身のイメージを再確認し、リスナーに「言うまでもないよな?」と語りかけることで、一体感を生みつつ自信満々な態度を示しています。
- **Da Big Bo$$ Dogg, yeah I had to do that**
**日本語訳:** 「ザ・ビッグ・ボス・ドッグだ。ああ、これはやっとかなきゃならなかった」
**解説:** **「Big Boss Dogg」**(ビッグ・ボス・ドッグ)はスヌープ・ドッグの異名の一つで、**「ボス(親分)の犬(=ドッグ)」**という彼のキャラクターを表す呼び名です。「Da」は「The」を訛らせた発音です。彼は自分自身をそう称して**「俺こそボス・ドッグだぜ」**と言っています。続く**「I had to do that」**は直訳「俺はそれをやらねばならなかった」。ここでは**「言わずにはいられなかった」「やっとかなきゃ気が済まなかった」**というようなニュアンスです。つまり「自分で自分をビッグ・ボス・ドッグと呼ぶというこの決まり文句を、どうしても言っておきたかったんだ」という感じです。スヌープは昔から曲中で自分のあだ名をたくさん織り交ぜるスタイルで知られ、「Snoop Doggy Dogg」「Bigg Snoop Dogg」など様々に名乗ってきました。このラインもその伝統に則った**セルフコール(自己呼称)**です。「やらなきゃならなかった」という一文で少しユーモアを交え、自分の決め台詞を入れ込んだことを茶目っ気たっぷりに語っています。ファンも待っていたお約束を果たしたとも言え、**スヌープ流の自己アピール**です。
- **I keep a blue flag hanging out my backside**
**日本語訳:** 「俺はケツのあたりに**青い旗**をぶら下げている」
**解説:** ここから数行はスヌープの**ギャングの所属**に関する描写です。「**blue flag**」は**「青い旗」**ですが、実際には**青いバンダナ(手ぬぐい)**を指します。アメリカのギャング文化では、自分の所属を示す色のバンダナを身につける習慣があります。ロサンゼルスを拠点とするギャング**「Crips(クリップス)」**はカラーが青で、**メンバーは青いバンダナを身につける**ことで有名です。スヌープ・ドッグは若い頃からCrips系のチーム(ローリング20’sというグループ)の出身と言われ、青いバンダナをファッションに取り入れることで知られてきました。このラインでは**自分の尻(backside)から青いバンダナを下げている**と明言しています。「ケツにぶら下げる」とは、ズボンの後ろポケットからバンダナの端を垂らして見せる着方を指します。ギャングはそれで互いの所属を判別します。つまりスヌープは**自分が青いバンダナを常に身につけている=Cripである**ことをほのめかしているのです。これによって彼のギャングスタ・アイデンティティを示す重要なラインになっています。
- **But only on the left side, yeah that’s the **Crip** side**
**日本語訳:** 「ただし左側にな。そう、それが**クリップ**・サイド(クリップスの側)ってわけだ」
**解説:** バンダナを下げるのは「**左側**だけだ」と言っています。ここでもギャング文化の符牒が使われています。一般に、ライバル関係にある**「Crips」は左側**に、対立する**「Bloods(ブラッズ)」は右側**にそれぞれバンダナを垂らす習わしがあります ([Urban Dictionary: crip side](https://www.urbandictionary.com/define.php?term=crip%20side#:~:text=The%20left%20side,97))。スヌープは「左側だけ、それがCrip側だ」と説明しています。**「Crip side」**とは**「クリップスの側(流儀)」**という意味で、**青いバンダナを左尻に垂らすのがクリップス流**だということです ([Urban Dictionary: crip side](https://www.urbandictionary.com/define.php?term=crip%20side#:~:text=The%20left%20side,97))。実際このフレーズは彼の曲によって有名になり、以降「左側=クリップサイド」という言葉が広まりました。スヌープは自分が属するCripsのルールに則って左側に青い旗を下げていると堂々と歌っているわけです。つまり**「俺は左に青い旗──クリップスさ」**とカミングアウトしているラインで、彼のギャングスタ属性を強烈にアピールしています。ここまでで「青い旗を左に垂らす」という記述から、彼がCripsであることを知っているリスナーには明確に伝わりますし、知らない人にも続く説明で理解できるようになっています。
- **Ain’t no other way to play the game the way I play**
**日本語訳:** 「俺様のやり方でこのゲーム(人生/ビジネス)をやる以外に道はねぇ」
**解説:** 「Ain’t no other way to ~」は**「~する他の方法は無い」**という強調表現です。「the game」は直訳「ゲーム」ですが、**人生やビジネス、ヒップホップでのし上がるゲーム**を指す隠喩として使われます。スヌープは「the game the way I play(俺がプレイするやり方のゲーム)」と言い換えることで、**自分流の生き様**を示しています。「俺のやり方でこのゲームをやる以外に方法はない」とは、**「俺と同じやり方でやれる奴なんていないし、これこそが唯一のやり方だ」**というニュアンスです。つまり**自分のスタイルが究極**であり、「俺流以外に極める方法は無いんだ」と豪語しています。この「game」は音楽業界やストリートの生存競争を指しても取れます。いずれにせよ、**自分のやり方(=ギャングスタとしての流儀と音楽スタイル)がオンリーワンで最強**であることを誇っています。「way I play」と「way to play」で軽く韻を踏み、リズミカルに聞かせています。
- **I cut so much you thought I was a DJ**
**日本語訳:** 「俺はカットしまくるから、お前は俺のことDJかと思ったろ?」
**解説:** ここで言う「**cut**」は**「(音楽を)カットする」**、つまり**「スクラッチする」**ことを指します。DJがレコードを刻むように回してスクラッチする行為を「cut」と表現します。また「cut a track」は曲を作ること、あるいは「cut(曲)を出す」はレコードをリリースすることも意味します。スヌープは「I cut so much(俺はあまりにもカットしすぎる)」と言っており、**自分が曲を大量に作ったり素早く切りまくったりする**ことを示唆しています。その結果「**you thought I was a DJ**(お前は俺のことをDJだと思った)」と続きます。これは**「俺が曲を作りまくるからDJかと勘違いしただろう?」**という冗談めかしたラインです。実際、スヌープはラッパーでありDJではありませんが、それほどまでに音楽をプロデュースしたりリミックスしたりしている、という自負が込められています。また、この直後に実際に**DJのスクラッチ音**が曲中に挿入されます。歌詞では「{*scratches*} “two!” – “one!” – “yep, three!”」とあり、DJが「ツー、ワン、イェップ、スリー!」とスクラッチで声ネタを繋いでいる音が流れます。これは**「2-1-3」**と区切って発音しており、ロサンゼルスの市外局番213(ツー・ワン・スリー)を表しています。213はスヌープがかつて所属したグループ名(彼と故・ネイトドッグ、ウォーレンGのトリオ)でもあり、**彼の地元ロングビーチ(LBC)のエリアコード**でもあります。つまりスクラッチ音で**自分のルーツである「213」**を叫んでいるわけです。この遊び心溢れる演出で、前のライン「俺がカットしすぎるからDJと思っただろ?」を実際のスクラッチに繋げ、ユーモアと共に地元へのリスペクトも表現しています。
- **S-N double O-P, D-O double G**
**日本語訳:** 「S・N・Oがダブルでもう一つ・P、D・O・Gがダブルでもう一つ・G」
**解説:** スヌープ・ドッグお馴染みの**スペルアウト(綴り読み)**です。「S-N double O-P」は**「S・N・O・O・P」**、つまりSnoopの綴りを表しています。「double O」は「Oを2つ」という意味です。同様に「D-O double G」は**「D・O・G・G」**で、Doggの綴りですね。スヌープは昔から曲中で「S N double O P D O double G」と自分の名前をスペルアウトするフレーズを使用しており、代表曲「Who Am I (What’s My Name)?」などでも登場しました。ここでも**自分の名前をリズミカルに綴って自己アピール**しています。日本語訳では無理に訳すより「S・N・O・O・P、D・O・G・G」とそのまま理解した方がよいでしょう。要するに**「俺様、S-N-O-O-P D-O-G-G!」**と韻を踏みながら名乗り上げている部分です。前後のスクラッチ音「two-one-three」と合わせて、ライブ感とノリを盛り上げています。スヌープのセルフブランディングの一環であり、聞き手に強く名前を焼き付ける効果的なフレーズです。
- **I can’t fake it, just break it, and when I take it**
**日本語訳:** 「俺は誤魔化しなんてできねぇ。ぶちかますだけさ。そしていざ俺がそれを掴んだ時には…」
**解説:** 「**I can’t fake it**」は**「俺はそれを偽れない/フェイクできない」**という意味です。ここでは「自分は嘘や演技はできない、本物だ」というニュアンスでしょう。**リアルな自分**を強調しています。「**just break it**」は「ただブチ壊すだけだ」。これは**「物事をぶち壊す=思い切りやる」**とか**「(ビートを)ブレイクする=かます」**といった意味合いです。fake(偽る)の対比でbreak(破壊する)という強い言葉を使っており、**やらせや見せかけではなく常に本気でやる**ことを示唆しています。「and when I take it」の「take it」はこの場合**「(チャンスや場を)自分の手に握る/支配する」**といった意味でしょう。「いざ自分がそれを手にしたときには…」と次につなげています。つまり**「俺はインチキはしない。ぶちかますのみさ。そしていざ俺が(マイクなり主導権なりを)握ったら…」**と続き、次行に展開します。スヌープの**飾らない本質主義**と**圧倒的なパフォーマンス**を予告するようなラインです。韻的には「fake it」「break it」「take it」と連続で揃えており、シンプルな語感で畳み掛けています。
- **See I specialize in making all the girls get naked**
**日本語訳:** 「いいか、俺は女どもをみんな裸にさせちまうのを得意としてるんだぜ」
**解説:** スヌープが自分の“特技”について豪語するラインです。「**specialize in ~**」は**「~を得意とする、専門にする」**という意味です。彼は何を得意かというと「**making all the girls get naked**」―**「全ての女の子たちを裸にさせること」**です。つまり**自分の音楽や魅力によって女性たちをその気にさせ、服を脱がせてしまう**と誇っています。かなり露骨な言い方ですが、これはクラブで女性が曲に興奮してトップを脱いだり、ベッドで女性を魅了して裸にする、といった状況を指しています。スヌープの放つバイブスが女性を熱狂させ**ハメを外させる**ほどだ、という自慢です。「girls get naked(女の子が裸になる)」というストレートな表現で、彼の音楽の官能性・盛り上げ力を強調しています。「I specialize in making ~」とフォーマルな言い回しを使っているのが逆に面白く、**不良自慢をあえて丁寧に表現するユーモア**があります。前行から繋げると「俺が本気出したら、女は皆裸になるぜ?」となり、スヌープの絶対的な自信を表すセンテンスになっています。
- **So bring your friends, all of y’all come inside**
**日本語訳:** 「だから友達も連れて、皆んな中に入って来いよ」
**解説:** パーティーへの招き入れのシーンを描いています。「**bring your friends**」は**「友達を連れてきな」**、「**all of y’all**」は「あなたたち全員」(y’allをさらに強調)で**「そこの皆も」**という意味です。「come inside」は**「中に入る/入っておいで」**です。つまり**「遠慮せず仲間をみんな連れて中に来い」**と呼びかけています。ここで場面としてはスヌープの家かパーティー会場に女性達を招き入れている状況が浮かびます。先ほど「女の子を裸にする」のが得意だと言った流れで「だから友達も連れて中においで」と続け、まさにこれから**乱痴気パーティー**が始まることを示唆しています。スヌープの懐の深さ(大勢招き入れる余裕)と遊び好きな性格が表れたラインです。ノリの良い女性であれば友達ごとウェルカムだぜ、と**遊び場への招待**を歌っています。
- **We got a world premiere right here, now get live!**
**日本語訳:** 「ここで世界初公開(のスペシャルなパーティ)が始まるぜ、さあ盛り上がっていこう!」
**解説:** 「**world premiere**」は**「世界初公開」**のことですが、ここでは**「めったにない特別な場」**くらいの意味で使っています。曲中の文脈では「We got a world premiere right here(ここで世界初披露がある)」と盛り上げており、自分たちのパーティー(あるいは新曲のお披露目)を**まるで世界初公開のイベントのように格上げしている**のです。実際にこの曲自体が「今ここで流れている世界初公開の曲だ」ともとれますし、単に雰囲気として「めちゃくちゃスペシャルな瞬間だぜ!」と言っているともとれます。「get live!」は**「盛り上がれ!」**という意味のスラングです。パーティなどでテンションを上げる掛け声として使われます。つまり**「さあ盛り上がっていこうぜ!」**と煽っているのです。総合すると**「ここでヤバいパーティ(あるいは新曲初披露)が始まるからな、みんなテンション上げて楽しめよ!」**という意味になります。スヌープがホストとなって場を仕切り、「world premiere(ワールドプレミア)」などという大げさな言葉でムードを高めている様子が伝わります。彼のショーマンシップとサービス精神が感じられるラインです。
- **So don’t change the **dizzle**, turn it up a little**
**日本語訳:** 「だから**チャンネル(dizzle)**を変えるんじゃねぇ、音量をもうちょい上げろよ」
**解説:** ここではスヌープお得意の**“-izzle言葉”**がたくさん出てくるパートに突入します。「**dizzle**」は文脈から**「テレビや音楽のチャンネル」**を指していると考えられます。本来 “don’t change the channel”=「チャンネルを変えるな」と言いたいところを、彼流に**「don’t change the dizzle」**としています。スヌープは単語の一部を**-izzle**に置き換える隠語遊び(ピッグ・ラテンの一種)を流行らせた張本人で ([-izzle - Wiktionary, the free dictionary](https://en.wiktionary.org/wiki/-izzle#:~:text=Popularized%20by%20rap%20artist%20Snoop,iz))、ここでも**「dizzle」はおそらく「dial(ダイヤル)」や「channel」の語頭をd-にして変形**したものです。意味としては「この放送/曲から変えるなよ」と解釈できます。彼は「世界初公開だからチャンネルを変えずに見ろ/聞け」と言っているのでしょう。
続く「turn it up a little」は**「音量をちょっと上げて」**という意味です。曲やテレビのボリュームを上げろと指示しています。つまり**「そのままチャンネル固定して、音をもう少しデカくしろ」**と視聴者/聴衆に呼びかけています。これはまるでテレビかラジオの生放送のような口ぶりで、実際の曲のミュージックビデオも白黒で放送映像風の演出がされています。スヌープはこの曲の中で、自分たちのパーティーや音楽を番組かのように見立てて、「チャンネルはそのまま!」とユーモラスに言っているわけです。**“-izzle”言葉**について補足すると、これは1970年代の黒人隠語をもとにしており、語尾に「-izzle」をつけたり中間に「-iz-」を挿入したりする言葉遊びです ([-izzle - Wiktionary, the free dictionary](https://en.wiktionary.org/wiki/-izzle#:~:text=Popularized%20by%20rap%20artist%20Snoop,iz))。Snoop Doggが2000年代初頭に多用して流行し、「fo’ shizzle(確かに)」「my nizzle(my nigga=相棒)」などが有名になりました。ここでも「dizzle」の他、後のラインで多数登場します。いずれも**特に深い意味はないものの、語感の面白さと韻律を生むため**に使われています。この行はそうした“Snoop語”が炸裂する前触れとなる一節です。
- **I got a living room full of fine dime **brizzles****
**日本語訳:** 「居間には上等な**ダイム嬢(ブリズルたち)**がぎょうさん待ってるぜ」
**解説:** ここはスヌープ流スラングのオンパレードです。「living room(居間)」に大勢いるのは「fine dime brizzles(ファイン・ダイム・ブリズルズ)」と表現されています。「**fine**」は「イケてる、魅力的な」。「**dime**」は俗に**「10点満点中10点の美女」**を指す言葉です(**「ダイム」=10セント硬貨**のことで、転じて「満点の美人」を意味します)。つまり「fine dime」で**「とびきり上玉の美女」**となります。その複数形「fine dimes」と同義なのがここでの「fine dime brizzles」です。「**brizzle**」はおそらく**「bitch」**(ビッチ:女性に対する俗称・侮蔑的呼称)を**-izzle化**した「b**r**izzl**e**」です。bitchを婉曲に「biznatch」と言ったりもしますが、それをさらにもじった形でしょう。従って「brizzles」は**「女の子たち」**程度の意味になります(かなり俗な言い方ですが)。合わせて**「fine dime brizzles」**は**「魅力的な満点美女ちゃん達」**といった意味になります。スヌープが自宅のリビングルームに、大勢のセクシーな美女を集めている様子が浮かびます。前行から繋げると「チャンネルそのままで音量上げろよ。俺のリビングには極上のネーチャン達が揃ってるぜ」という流れで、豪華なパーティの雰囲気を伝えています。下世話な言葉遣いですが、**女性を「ビッチ」扱いするラッパーらしい表現**でもあります。
- **Waiting on the **Pizzle**, the **Dizzle** and the **Shizzle****
**日本語訳:** 「彼女らは**Pizzle**と**Dizzle**と**Shizzle**を待ってるのさ」
**解説:** さらに畳みかけるように“-izzle”スラングが続きます。「**Pizzle**」「**Dizzle**」「**Shizzle**」と聞き慣れない言葉が3連発されていますが、それぞれ何を指すか推測できます。文脈から「彼女ら(美女たち)は○○を待っている」とあります。前後の流れから考えて、**PizzleはPharrell(ファレル)**のP、**DizzleはDogg(スヌープ・ドッグ)**のD、**ShizzleはSnoopの決まり文句「fo’ shizzle」**などに由来するフィラー(意味のない語)か「shit(ヤバい物)」の婉曲かもしれません。おそらく**「Pizzle」=「P(ファレル)」**、「Dizzle」=「D(ドッグ=スヌープ)」、**「Shizzle」=「the sh*t(最高のもの)」**と捉えるとわかりやすいでしょう。つまり**「美女達はファレルとスヌープ、そして最高の瞬間を今か今かと待っている」**という意味になります。実際、曲中ではファレルも参加している設定ですので、「P」と「D」が本人たち、そして「Shizzle」は**スヌープの口癖**(「for shizzle my nizzle」のような)でもあり、「最高!」という気合の表現でもあります。したがってこのラインは**パーティにいる女性たちが、ファレル(P)とスヌープ(D)の登場、そしてクライマックス(最高の展開)を待っている**様子を示しています。韻的には「brizzles」「Pizzle」「Dizzle」「Shizzle」で揃えており、聞いていて楽しい言葉遊びになっています。意味よりも**ノリ重視のフレーズ**と言えます。
- **G’s to the bizzack, now ladies here we gizzo**
**日本語訳:** 「G(ギャングスタ)どもは後ろに下がってろ。さあ女子たち、ここから楽しむぜ!」
**解説:** これも独特な韻を踏んだラインです。「**G’s**」はスラングで**「ギャング、ならず者たち」**を指します(元は「Gangstas」の頭文字)。「**to the back**」を「**to the bizzack**」としていますが、意味は**「奥(バック)に下がって」**です。つまり**「ギャング連中は下がってろ」**と命令しています。おそらく男友達の仲間たち(騒がしい男たち)は一歩引いて控えていろ、ということです。代わりに「now ladies, here we gizzo」です。「here we go」を「**here we gizzo**」に変えていますが、意味は**「さあ行くぞ!」**です。女性達に向け「さあ始めよう」という掛け声です。全体として**「野郎どもは下がってて、さあ女性陣、こっちへ来て盛り上がろうぜ!」**といった意味になります。パーティーで女性中心に場を回そうとするスヌープの姿勢が伺えます。彼自身「女の子を裸にさせる」のが得意と言っていた通り、男友達よりも**女性を優先してエスコート**しているのです。「G’s」「bizzack」「gizzo」で立て続けに畳音のような韻を踏んでおり、耳に残るフレージングです。意味合いとしては「男性陣下がれ、女性陣かかってこい」というパーティ指揮の場面描写で、第2ヴァースの締めくくりとなっています。
★サビが繰り返されます(説明は前述)。*
## 第3ヴァース(Snoop Doggのパート2)
(※曲の最後のヴァースです。引き続きスヌープ・ドッグが自身のステータスと危険な一面を歌います。特にギャングとしての凄みを一層強めた内容になっています。)*
- **I’m a Bad Boy, wit a lotta ho’s**
**日本語訳:** 「俺はバッドボーイ(悪い奴)さ。それに女を山ほど抱えてる」
**解説:** 「**Bad Boy**」は直訳「悪い少年」ですが、ここでは**「ワル」**「不良」程度の意味です。大文字で書かれているので、パフ・ダディのレーベル「Bad Boy Records」を意識する可能性もありますが、文脈上はスヌープ自身が**「悪党」**であることを表現しています。第2ヴァース冒頭でも「I’m a gangsta」と言っており、同じく自分がワルである強調です。続く「with a lotta ho’s」の「**ho’s**」は**「hoes(ホーズ)」**の略で、「娼婦」や「遊女」を指すスラング「hoe(ホー)」の複数形です。つまり**「沢山のホー(尻軽女)を抱えている」**となります。かなり下品な言い方ですが、ヒップホップでは「ho」と言えば「軽い女」「浮気女」を指す罵り言葉です。ただしここでは自慢として使っており、**「俺はたくさんの女を侍らせているぜ」**という意味になります。スヌープは自分が**ワルでありながら女性に不自由していない**(むしろ多くの女性を手玉に取っている)ことを誇示しています。「Bad Boy」と「ho’s」で韻は踏んでいませんが、対照的なイメージ(不良男子 vs 軽い女子)を並べることで自分の奔放な生活を端的に示したラインです。
- **Drive my own cars, and wear my own clothes**
**日本語訳:** 「車は自前で乗り回し、服も自前でキメる」
**解説:** スヌープの自立と成功を示すラインです。「**my own cars**」は**「自分の車」**、「**my own clothes**」は**「自分の服」**。それぞれ「自分で所有する車」「自分のブランドの服や自前のスタイル」と解釈できます。直訳すると「自分の車を運転し、自分の服を着ている」。つまり**「俺は他人任せじゃなく、自分の車を持ち、自分のスタイルを持っている」**ということです。裏を返せば、普通のラッパーがレンタルの高級車や借り物のジュエリーで見栄を張るのに対し、スヌープは**本当に自分の車を持っていて、ファッションも自分流(下手すれば自分のプロデュースするブランド)**だと言っています。実際スヌープは車好きで有名で多数の愛車を所有していますし、洋服も自身のブランドや好みで着こなしています。「own」を繰り返すことで**「自分自身の力で成功している」**ことを強調しています。これは前行「女をたくさん抱えている」と合わせて、**富と名声も女性も手に入れて自由に生きている**という彼の自己イメージを端的に表現しています。シンプルですが、スヌープのセルフメイドぶりとスタイルの確立を誇る重要なフレーズです。
- **I hang out tough, I’m a real Bo$$**
**日本語訳:** 「遊ぶ時もガッチリ気張ってるぜ。俺こそが本物のBOSSだ」
**解説:** 「**hang out**」は**「遊び歩く、たむろする」**という意味です。「**tough**」はここでは副詞的に「激しく」「タフに」というニュアンスです。つまり**「俺はハードに遊ぶ(激しく遊び回る)」**ということです。夜遊びやストリートでの付き合いも全力だ、と言っています。「I’m a real Bo$$」の「**Bo$$**」は綴りから**「Boss」**のSをドルマークで飾っています。ヒップホップで文字を置き換える遊びで、$$と書いて「お金持ちのボス」というニュアンスを醸しています。つまり**「俺は本物のボスだ」**という意味です。自分が**真のボス(親分格、偉い存在)**であると胸を張っています。前行までの自立した生活や富の誇示から、この行で**自分がトップに立つ存在**だと結論づけています。「hang out tough」と「real Bo$$」で韻は踏んでいませんが、内容として**遊びも仕事も極めていて、俺は本物のボスだ**と二段構えで語っています。スヌープの**余裕と風格**を示すラインです。
- **Big Snoop Dogg, yeah he’s so sharp**
**日本語訳:** 「ビッグ・スヌープ・ドッグ、そうさ、奴(俺)はキレッキレなんだ」
**解説:** 「**Big Snoop Dogg**」もスヌープ自身の呼称です。先ほど「Big Boss Dogg」とも言っていましたが、ここでは自分の名前そのままを言い「ビッグ・スヌープ・ドッグ」と強調しています。自分の偉大さを込めて「Big」を付けています。「yeah he’s so sharp」の「**sharp**」は**「切れ者である、または身なりがオシャレ」**という意味があります。文脈的には**「キレがある」**とか**「洗練されている」**という誉め言葉です。三人称 “he” を使って自分を客観的に称賛する形をとっており、**「ビッグ・スヌープ・ドッグ――そう、あいつはイケてるぜ」**と自画自賛しています。「sharp」は日本語でも「シャープな奴だ」というと頭が切れるとかセンスが良いという意味になりますが、ここもそれに近いニュアンスです。**ラップの腕前もファッションも抜群**という褒め方ともとれます。まるで他人が言っているかのように自分を褒めるのはヒップホップで時折見られる手法で、**自己PRをしつつも自惚れすぎない軽妙さ**を演出します。このラインではスヌープの持つスマートさ・鋭さ・格好良さをアピールしています。
- **On the TV screen and in the magazines**
**日本語訳:** 「テレビの画面でも雑誌でも(いつも目立ってる)」
**解説:** スヌープのメディア露出について言及しています。「TV screen(テレビ画面)」や「magazines(雑誌)」に**頻繁に登場する有名人**であることを示しています。実際スヌープ・ドッグは音楽のみならず、映画やテレビ番組に出演したり雑誌の表紙を飾ったりする機会が多い人物です。**「俺はテレビでも雑誌でも見かけるだろ?」**と誇らしげに語っており、自身の知名度と成功を自慢しています。前の行「he’s so sharp(彼はすごい)」という評価が世間にも認められている証拠として、「テレビや雑誌で引っ張りだこだ」と続けているわけです。「screen」と「magazines」でゆるく韻を踏み、耳触りもよくしています。このラインは**自分がメディアスターである**ことを改めて確認し、**ラッパーの枠を超えたアイコン的存在**であることを強調しています。
- **If you play me close, you’re on a red beam**
**日本語訳:** 「もし俺にちょっかい出そうってんなら、お前の額に赤い点(レーザーサイト)が灯るぜ」
**解説:** 「**play someone close**」はスラングで**「(相手に)密着して攻撃的に挑む、絡む」**といった意味です。つまり**「俺になめた真似をしたら」**とか**「しつこくちょっかいを出したら」**ということになります。「you’re on a red beam」は**「お前は赤いビームの上にいる」**ですが、これは**銃のレーザーサイトで狙われている**状態を指します。銃口についたレーザーポインターの赤い点が相手に当たっているイメージです。つまり**「お前の身体(額)に赤外線のドットサイトが乗る=狙撃の照準を合わせられる」**という脅しになります。要約すると、**「俺に変な気を起こすと、狙撃される羽目になるぞ」**と警告しているのです。これは第1ヴァースのファレルの脅しパートと呼応しており、スヌープ自身も自分や仲間が武装していることを仄めかしています。「red beam(赤い光線)」という表現が生々しく、相手に突如赤点が現れる恐怖を想起させます。スヌープはニコニコとメディアに出ているスターである一方で、**逆らえば容赦しないギャングの顔**も持っていることを示すラインです。
- **Oh you got a gun so you wanna pop back?**
**日本語訳:** 「お、銃を持ってるのか。じゃあ撃ち返すつもりか?」
**解説:** スヌープが仮想の相手に語りかける形です。「**Oh, you got a gun**」は**「お前も銃を持っているのか」**、「so you wanna pop back?」は**「だから撃ち返してきたいって?」**という意味です。直前で「赤いビームで狙われるぞ」と脅したところ、もし相手も銃を持っていて撃ち返そうと構えたら…というシナリオを想定しています。「pop back」は「pop(撃つ)」の返答として**「撃ち返す」**という意味になります。つまり相手が武装して反撃する気だとしても、それに対する余裕をもって「そうか撃ち返したいのか?」と挑発しているのです。実際にはスヌープ側が既にレーザーで狙っている状況なので、相手が銃を持っていようが優位は変わらないという含みがあります。**お互い銃を持った睨み合い**のシーンを思わせますが、次行でその緊張を一気に破る展開になります。スヌープはここで一瞬ためを作り、**相手の出方を伺うような挑発**をしています。
- **AK-47 now nigga, stop that!**
**日本語訳:** 「俺様はAK-47(自動小銃)だぜ。なあニガ、そんな馬鹿な真似はやめとけ!」
**解説:** 「**AK-47**」は有名な自動小銃(カラシニコフ)で、**強力な武器**の代名詞です。ここでは「AK-47 **now**」と続いており、「今や俺はAK-47を持っているんだぞ」といったニュアンスです。実際スヌープがAK-47を所持しているかどうかは置いといて、**自分の火力は相手の拳銃などより圧倒的**であることを示唆しています。「nigga, stop that!」は**「ようニガ、よせとけ」**と相手(黒人の男)に語りかけている言葉です。つまり**「俺はAK持ってんだぞ。なあ相棒、無駄な抵抗はやめとけよ」**という意味になります。先ほど「撃ち返すか?」と挑発しつつ、すぐさま「俺はAKだぜ」と凄みを効かせ、「だからやめとけ」と制しています。**相手との武力差を誇示して戦意を削ぐ**ラインです。AK-47は拳銃より遥かに強力な武器なので、相手が萎縮するのは明白というわけです。スヌープはこのようにして**喧嘩を有無を言わせず鎮圧できる力がある**ことを表現しています。「AK-47」という単語の響き自体が非常に強烈で、この曲の中でも印象的な箇所です。
- **Cement shoes, now I’m on the move**
**日本語訳:** 「セメント靴も履かせてやった。さあ、俺はもう次の動きに移ってるぜ」
**解説:** 「**cement shoes**(セメント靴)」は**マフィアが裏切り者などに対して行う処刑方法**を指す俗語です。犠牲者の足をブロックごとコンクリートで固めて海に沈める、いわゆる「セメント詰めにして沈める」ことを意味します。このフレーズは先ほどの銃の脅しからさらにエスカレートしており、**相手を殺して遺体にセメント靴を履かせて沈めた**ことを示唆しています。「now I’m on the move」は**「さて、俺は次へ移る」**、直訳すると「俺は動き始めている」という意味です。つまり相手にセメント靴を履かせて始末したので、**自分は次の行動に移って悠々とその場を去る**ということです。撃つだの何だのと脅していた相手は最終的に始末され、スヌープは何事もなかったかのように立ち去っている情景が浮かびます。非常に冷酷かつダークな描写ですが、**ギャングスタとしての非情さと手際の良さ**を誇示しています。言葉自体は簡潔ですが、裏社会の恐ろしい慣行をさらっと織り交ぜて、スヌープの世界観を色濃く出したラインです。
- **Your family’s crying, now you on the news**
**日本語訳:** 「お前の家族が泣き叫び、今やお前はニュースになった」
**解説:** セメント靴で葬られた相手のその後の情景です。「**family’s crying**」は**「家族が泣いている」**、つまり被害者の家族が悲嘆に暮れている様子です。「now you on the news」は**「今やお前はニュースに出ている」**、すなわち行方不明事件や死亡事件として報道されているということです。前行までで相手を殺害し遺体を処理したことが示唆されましたが、その結果**家族は悲しみ、世間ではニュース沙汰になっている**と語っています。とてもドラマチックかつ冷酷な結末描写です。スヌープはまるで第三者視点で状況を説明し、**自分は既に現場を離れて高みの見物をしている**かのようです。この冷めた言い方がギャングらしい非情さを際立たせています。同時に「ニュースになるほど大ごとだが俺は捕まらずに動いている」ことを暗示し、**自分の凄み(完全犯罪を成し遂げる力)**を誇示しています。韻的には「move」と「news」で微妙に母音が合っており、緩く韻を踏んでいます。残酷なストーリーラインを崩さずに言葉遊びも織り込んだ巧みな表現です。
- **They can’t find you, and now they miss you**
**日本語訳:** 「誰もお前を見つけられず、そして今や皆がお前を恋しがってる」
**解説:** さらに情景説明が続きます。「**can’t find you**」は**「(警察や家族が)お前を見つけられない」**、つまり**行方不明状態**であることを意味します。「miss you」は「君がいなくて寂しい、恋しいと思う」という意味です。つまり**「周囲の人間はお前を見つけることができず、寂しがっている」**ということです。これは皮肉な言い回しで、実際は殺されて海の底かどこかに沈められているので見つかるはずもなく、家族らは悲しんでいるという状況をさらっと述べています。**「見つからないねぇ、みんな寂しがってるぜ」**と淡々と言う様子に冷酷さとサディスティックな嘲りが感じられます。この一連のライン(セメント靴~ニュース~見つからない)は、スヌープが**敵対者に対して取り得る最も過激な報復**を物語形式で描写したものです。彼のギャングとしての伝説的な恐ろしさを歌に織り込んでおり、聞き手に強いインパクトを与えます。ここまで極端にすることで「俺に逆らうとこうなる」というメッセージを最大限に示しているのです。
- **Must I remind you I’m only here to twist you**
**日本語訳:** 「言っとくが、俺はお前をただ**ねじ曲げに**(痛めつけに)来ただけなんだぜ」
**解説:** 「**Must I remind you**」は**「言っておかなきゃいけないか(再確認しようか)」**という前置きです。「I’m only here to twist you」の「**twist you**」は直訳「お前をねじること」ですが、ここでは**「お前を痛めつけること」**や**「翻弄すること」**を指していると考えられます。つまり**「忘れるなよ、俺はお前を始末しにきてるだけなんだからな」**という意味になります。上の行まで散々相手を殺す描写をしてきましたが、このラインではその**目的を再度強調**しています。スヌープは敵対者を**「twist」(ねじ伏せる/ひねり潰す)**するためだけにやってきたと告げ、もはや情け容赦のない姿勢を鮮明にしています。「remind you(念押しする)」と言うことで、相手に恐怖を植え付ける狙いもあります。**自分は容赦ない制裁者である**ことを改めて宣言したわけです。
- **Pistol whip you, dip you then flip you**
**日本語訳:** 「お前を拳銃で殴りつけ、ズブッと沈めて、そんでひっくり返してやる」
**解説:** これも物騒な3連続動詞のラインです。「**pistol whip you**」は**「お前をピストルで殴る」**ことです。銃のグリップや銃身で相手の頭を殴りつける行為を指す俗語です。次の「**dip you**」は「dip(ディップ)=浸す」の意味から、**「お前を液体に沈める」**、つまり海や川に沈めることを暗示しています。これは前のセメント靴の話とも繋がります。そして「**flip you**」は「flip(ひっくり返す)」なので、**「お前を転がす/裏返す」**といったニュアンスです。文脈的に見ると、これは**殺害プロセス**を段階的に描いているように取れます。拳銃で殴って気絶させ、何らかの液体(または墓穴)に沈め、そしてひっくり返す(始末する)という残虐な手順です。あるいは「dip you then flip you」は単に**「倒してひっくり返す」**という連続動作とも読めます。いずれにせよ相手を**完全に叩きのめして処理する**ことを指しており、徹底的な暴力を表現しています。発音上、「pistol whip」「dip」「flip」で畳韻を踏んでおり、残酷ながら耳に残るリズムを生んでいます。この後すぐ曲調がまたパーティー風に戻るため、一連のバイオレンスシーンはここで締めくくられます。スヌープのギャングとしての**恐怖政治のような力**がピークに達した描写です。
- **Then dance to this mother***ing music we **Crip** to**
**日本語訳:** 「そして俺たち**クリップス**がノるこのクソ音楽に合わせて踊るのさ」
**解説:** 一転して雰囲気が変わるラインです。「**motherf***ing music**」は**「クソみたいな音楽」**と直訳できますが、これは強調のスラングで「最高にイカれた音楽」くらいのニュアンスで使っています。上記までの暴力沙汰を全部片付けて、「そんでこのどうしようもなくイカした音楽に合わせて踊るぜ」と言い放っています。「**we Crip to**(we crip to this music)」は**「俺たちクリップスがこの音楽に合わせて(踊る)」**という意味です。「Crip」は前述のギャング集団Cripsですが、ここでは動詞的に「Crip歩きをする」つまり**「クリップス流に踊る/楽しむ」**という意味合いでしょう。Cripsには有名な「クリップウォーク (Crip Walk)」という独特のダンスステップがありますが、スヌープはそれを踏まえて「音楽に乗ってクリップウォークを踊る」と言っている可能性があります。まとめると**「そして俺らギャング仲間はこの最高の音楽に乗ってダンスするってわけさ」**となります。直前までの殺伐とした描写から一転して**勝利のダンスを踊るようなイメージ**です。「motherf***ing」は口が悪い表現ですが、ここでは「最高の」「ぶっ飛んだ」くらいの強調語です。スヌープは仲間とともに自分たちの音楽(=この曲自体)に酔いしれて踊っている、と描写し、暗かったムードを一気にパーティーに引き戻しています。**ギャングの抗争すらも娯楽に変えてしまう**かのような豪胆さが感じられるラインです。
- **Subscribe nigga, get yo issue**
**日本語訳:** 「**観念しろよニガ**、報いを**受け取れ**」
**解説:** ここは解釈が難しいフレーズですが、「**subscribe**」は「加入する/同意する」という意味です。スヌープ独特の言い回しで、**「降参しろ」**とか**「認めろ」**というニュアンスに使っているようです。つまり「諦めて俺に従えよ」という感じです。続く「**get yo issue**」は直訳「自分の号(issue)を手に入れろ」ですが、スラングでは**「報いを受ける」「思い知らされる」**という意味があります。**“issue”**が「問題/課題」も意味するため、「自業自得の結果を受け取れ」といった解釈になります。従って**「諦めて報いを受けろ」**、要するに**「観念してヤキを入れられちまえ」**という意味合いです。これまで散々脅して痛めつけてきた相手に対し、とどめに「ほら見ろ、自業自得だろう」と言い放っているわけです。まるで懲らしめ終えた相手に説教するかのような口ぶりです。この“subscribe”と“issue”のコンボは、雑誌の購読(subscribeすると毎号issueが届く)になぞらえた隠喩的表現とも取れます。**「殺しのメニューにサブスク登録したんだから、弾丸のお届けを受け取れ」**というブラックユーモアかもしれません。スヌープらしい皮肉と威圧が混ざった言い回しで、相手の敗北を嘲笑しています。
- **Baby come close, let me see how you get loose!**
**日本語訳:** 「ベイビー、もっとこっちにおいで。どれだけ**はじけられる**か見せてみな!」
**解説:** 曲の最後を飾るラインで、女性への呼びかけに戻っています。「**Baby**」は親しい女性への呼びかけ(「ねぇ、可愛い子ちゃん」くらい)です。「**come close**」は**「近くにおいで」**。「**get loose**」は**「羽目を外す、リラックスして自由に踊る」**という意味のフレーズです。ですから**「おいで、思いっきり乱れて踊ってみな」**という誘い文句になります。直前までの物騒なシーンは全て片付いた(あるいは妄想の脅しだった)という体で、再び女性との楽しいひとときに話題が戻っています。スヌープは女性に近くに来るよう促し、**自分の前で大胆に踊ってみろ**とセクシーに挑発しています。これは第2ヴァースで「女を裸にさせる」のが得意と言っていた彼のキャラに沿っていますし、サビ頭の「drop it like it’s hot(腰を落として踊れ)」にも通じるものです。**緊張から解放されて「さあ楽しもう」という締め**になっており、曲全体の構成としてもう一度パーティームードで終わるよう計算されています。スヌープが「get loose(ゆるめ)」と言うことで、リスナーにも**音楽に身を任せて楽しめ**というメッセージになっています。ここで曲は再びサビに入り、フェードアウトしていきます。
最後のサビでも「Drop it like it’s hot…」のフレーズが繰り返され、曲が締めくくられます。以上、Snoop Dogg「Drop It Like It’s Hot」の歌詞を1行ずつ日本語訳し、スラングや背景を含めて解説しました。この曲はスヌープの陽気なパーティー・バイブと、ギャングスタとしての一面が融合した名曲であり、各所に散りばめられたスラングや言葉遊びも相まって非常に奥深いリリックとなっています。そのダンス指令のフレーズと独特のビートは発売から20年近く経った今でもヒップホップ文化に刻み込まれており、**「Drop it like it’s hot」**は英語圏のスラング表現としても定着しています ([Drop it Like it’s Hot Meaning & Origin | Dictionary.com](https://www.dictionary.com/e/slang/drop-it-like-its-hot/#:~:text=Drop%20it%20like%20it%E2%80%99s%20hot,widespread%20applications%20of%20the%20phrase))。今回の解説で、歌詞の意味やニュアンスがよりクリアになり、スヌープとファレルが描いた世界観を楽しんでいただければ幸いです。